【電子書籍市場調査】電子コミック市場が急拡大。単行本を超える日も近い。


電子書籍で読むのに適した媒体はコミックだと本サイトでは主張していますが,それを裏付けるデータがあるので紹介したいと思います。(今回はちょっと真面目な内容になっております(笑))

最近の電子書籍市場はインプレス総合研究所「電子書籍ビジネス調査報告書2015」によると,2014年の市場規模は1411億円,2016年は2,350億円と着実に成長を続けており,大きなマーケットとなりつつあります。紙の書籍の市場規模は約1兆6000億円なので,まだ1/7程度ですが,電子書籍市場は今後も15%/年程度で規模を拡大していき,2020年頃には今の2倍程度の市場になると予想されているので,これから皆さんの生活により密着したものになると思われます。

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さて,出版市場全体でみると,電子書籍市場の割合はまだ10数%ですが,これが電子コミックになると若干事情が異なります。少し古いデータで恐縮ですが,インプレス総合研究所『電子書籍ビジネス調査報告書2014』によると,2013年度の電子コミック市場はスマホ+タブレット向けが611億,携帯電話向けが120億の合計731億円となっています(この時はまだ携帯電話向けもそれなりにあったようですが,2016年現在ではほとんどがスマホ,タブレット向けに置き換わっていると思われます。)。この時の調査では2013年の電子書籍市場の規模は1013億円なので,実に電子書籍市場の72%が電子コミックということになります。海外だと事情は若干異なりますが,日本国内だとやはり漫画コンテンツは人気が高く,また,電子書籍との相性が良く,急速に普及が進んでいるのがこのデータからも分かります。

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さて,紙のコミックの市場規模ですが,2013年はコミック単行本の市場規模が2231億円。電子コミックの市場規模は731億円なので,すでに市場規模として約30%を電子コミックが占めていることになります。

一方,文芸・実用書になると電子書籍市場は190億円。紙の出版物の市場は7400億程度あるため,こちらはたったの3%と全く電子化が進んでいません。

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電子書籍を使っていると分かりますが,やはり小説などの長い文章をタブレットやスマホで読むのは疲れます。私も数冊はiPadに入っていますが,基本的には文章系の本は紙で購入しています。70~90%割引セールの時に読みたいものがあれば購入しますが,それ以外はまず買いません。メモなどの記入もしにくいので,やはり気軽に読める消耗品的な媒体(コミックや雑誌)が2016年時点では電子書籍に向いているといえます。おそらくこの状況は,横書きに変換された電子書籍が出てくるまでは変わらないと思います。小説や新書なんかも,横書きになればスマホやタブレットでも読む負担がそれなりに軽減されるので、今後は横書き対応作品も増えていく気がしていますが,どうなる事でしょうか。

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文章系の電子書籍とは異なり,今後ますます漫画の電子化は進むと予想されます。上のトレンドを見てみると,紙の漫画と電子コミックの市場規模が逆転するX Dayも2020年までに来そうです。市場自体も電子書籍ならではの安売りセールで新たな顧客を呼び込み,また,中古市場に流れていた客層を取り戻して伸びていきそうな感じがします。

今後はますます電子コミック市場から目が離せなくなりそうです!

『参考文献』
インプレス総合研究所 『電子書籍ビジネス調査報告書』 2014,2015
日本出版販売株式会社 『出版物販売の実態』2014